屋内での堆肥作り
畑でも家庭でも、堆肥作りはだれでもできること。庭がなければ車庫やベランダの隅っこでも、台所の流しの下でも堆肥は作ることが出来る。
生ゴミを自分でコンポストすれば、焼却所に送り込むゴミの量がぐっと減る。環境汚染を減らせるし、自分が食べるための栄養たっぷりの野菜やハーブを育てることが出来る。野菜を栽培するのにも、庭や畑がなくても大丈夫(コンテナガーデンを参照)。
生ゴミを堆肥化するためには、2つ方法がある。
有酸素堆肥:畑で作るのと同じ原理の堆肥作り。屋内でもスケールが小さくなるだけ。「土をつくる」セクションの他のページで、堆肥とはどういうものか、どんな役目があるか、どうやって作るか紹介している。
ミミズコンポスト:生ゴミを超スピードで食べてくれる「シマミミズ」を使う堆肥作り。ミミズコンポストのページはこちら。毛嫌いしないで! ミミズコンポストはきれいな、臭いもしない、衛生的な堆肥作りで、子どもたちも大好きなのだから。ミミズ箱は家の中でも台所の中でも置けるし、箱をコーヒー・テーブルに使っている人もいるくらいだから!
このページでは屋内用の有酸素堆肥の作り方を紹介している。
小さく考える
堆肥作りをしている人たちは(私たちも)ある程度大きい堆肥枠か箱を使うことを勧めている。ボリュームがあった方が好気性発酵が成功しやすいから。最低0.28立方メートル、つまり60 x 60 x 70センチの箱か、直径60センチ高さ90センチの筒くらい欲しい。
でもこれは庭のない家庭用には大きすぎるし、中に入れる材料もそれほどできない。じゃあ、好気性の堆肥を作るのに最低限必要なボリュームってどのくらいだろう?
キースは0.28立法メートル(283リットル)よりずっと少ない45リットル容器で堆肥を作ったことがある。一度に満杯まで詰め込み、発酵して熱くなり2週間で堆肥ができあがった。生ゴミは毎日ちょびっとずつ出るからもう一工夫必要だけど、それでも小さな容器で同じ堆肥を作ることが出来る。
家庭用の小さな「堆肥塚」は2つ用意したほうがいい。1つ目の容器がいっぱいになって発酵・成熟している間に、2つ目の容器に生ゴミを入れていく。2つ目の容器がいっぱいになるころには、1つ目の堆肥が完熟しているからそれを空にして交替する。
プラスチックか錆びない金属で蓋が付いている45〜90リットルバケツを用意する。底にドリルで直径1センチくらいの穴を10〜12個あける。水を受けるトレイにバケツを置き、バケツの下に通気用の隙間を作るために割り箸か陶器のカケラか適当な物を挟み込む。
板で作った一辺40〜50センチの箱でも上手くいく。板は化学処理していない物を選び、自分で植物油を内側・外側に塗る。底にドリルで穴をあけ、水受け用のトレイを用意して、同じように通気用の隙間を確保する。蓋も忘れないで。蝶番で開け閉めできる蓋をつけると便利。
中身を詰める
よっぽど堆肥作りに自信がない限り、肉・魚・乳製品・調理済みのおかず・油物などは入れないこと。まずは生の野菜や果物のクズ、それから卵の殻をコンポストする。
生ゴミは濡れてなくても平均85%の水分を含んでいる。コンポストに適切な水分量は65%だから「乾き物」を加えて水分を調整する。乾き物には、落ち葉やわら、白黒の新聞紙(カラー紙面やチラシは除く)、段ボール、水苔、椰子繊維などが使える。化学処理されていない木からでたおが屑も他の乾き物と混ぜれば使える。これらの乾き物はコンポスト容器の側に常備しておく。他に土と木灰も用意しておくと便利。
まず、コンポスト容器の底に「乾き物」を数センチ敷き詰める。その上に生ゴミを入れ、生ゴミと同じくらいの量の乾き物を被せる。最後に土を少しと、有機石灰か木灰1振りを振りかける。容器がいっぱいになるまでこれを繰り返す。
1〜2週間に1回、図のようなコンポストかき混ぜ棒で中身全体をかき混ぜる。このコンポストかき混ぜ棒は後ろに折り畳まれる羽が付いていて、コンポストの中身に棒を突き刺し、羽を開いて中に空気を含ませることができる代物。Gardener's Supply Companyで販売している(品番31-326)。もしくは何か自分で工夫して。
http://www.gardeners.com
やっかいごと
問題はあまりないはずだけど、底から汁がしみ出てくるようだったら、乾き物をもっと入れてコンポストかき混ぜ棒でかき混ぜ、空気をしっかり含ませる。臭ってきた場合も同じ。特にしっかり空気を含ませるようにかき混ぜ、上に乾き物と土少しを被せる。
でも生ゴミはシマミミズに任せた方が楽かもしれない。
参考資料
「裏庭、ベランダ、アパートでのコンポストガイド」
"Real Dirt: The Composting Guide to Backyard, Balcony & Apartment Composting" by Lorraine Johnson and Mark Cullen, Penguin Books of Canada, 1992, ISBN 0140159614
一戸建ての家に住んでいてもアパート暮らしでも、都会でも郊外でも農村でも、堆肥を作ることがガーデニングを成功させ、地球を少しきれいにする一番の方法。カナダのガーデニング・ライターが書いた初心者・ベテラン誰にでも役に立つガイドブック。
http://www.chapters.ca/books/details/default.asp?
UID= 009768DBDC0111D383BB00508B629EDB&
WSID= 1402009768DCDC0111D383BB00508B62&
AFFID= 103667&ISBN=0140159614
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